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ScandalーA double suicide

写真を趣味にしていた従兄弟が葬式写真を頼まれたと言って、まず最初にその話を持ってきた。
「魔がさしたんでしょう」「女の業」「女の子が二人いるのに」「相手は薬大生」「母一人子一人の家庭の学生で」「まあ、残されたお母さんはどうなるの」
私がまだ小学校2,3年の時、近所の大ニュースになった心中事件だ。年上の人妻と若い大学生。人妻の方は命をとりとめた。
「離婚か」「子供に母親としてこれからどう接するのか」
命をとりとめた人妻とは、駅前で眼科医院を開業している美人女医だ。私ももっと小さい頃トラコーマにかかって、目に液体をジャーとかけられた記憶がある。まだ女医が珍しかった頃だ。
「何の不満があったのか。あんな立派なご主人がいながら」
そんな声が聞こえる。やはり非難は生き残った女医に集中した。
嘘か本当か知らないが近所の噂だと、彼女の夫は「白い巨塔」の財前五郎のモデルだと言う人もいる。阪大の心臓外科医で、年齢的にも飛ぶ鳥を落とす勢いの脂の乗った外科医だ。...
葬儀が終わり1週間もすると、生き残った女医は元の家庭に戻ったと言う話が伝わってきた。結局薬大生だけが死んだ。

学園紛争で全国の大学がグシャグシャになっていた頃だ。HSという子持ちの人妻の詩人がいて、このHSが早大の学生と心中事件をおこした。そしてやはり早大生だけが死んだ。
その頃知り合った京大生RK(後に京都大学大学院教授になって、時々京都テレビに出演している)は偶然だが、心中で死んだ早大生の親友だった。RKの話だと、真面目一筋の優秀な早大生は、その人妻詩人との生活を確保するために、大学を辞めて肉体労働をしていたそうだ。そういう関係になった以上、夫とならなければならないと思い込んでいた、馬鹿な奴だ、遊ばれただけなのに、RKは激怒していた。その女流詩人には興味がなかったので、会ってもいないし作品も読んでいないが、その心中事件は、詩を書く人間なら誰でも知っている、スキャンダルになった。
心中は共に死ななければ、決して美しくは完結しない。

Gribouilleが詩集「声のない部屋」(2000年3月思潮社刊)で書いている心中の生き残りは、悲惨の極みだ。


角の地主の蔵に
人間の女に良く似た
生き物がいた
こんがらがった伸び放題の髪
黒ずんだ浴衣で
ときどきどんぶりを持って
母屋の台所に立っていた
その生き物を
母たちは
ばけもん
と呼んでいた
その女には娘がいて
いつも神社の隅で
ひとり遊んでいた
その娘は噛みつくから
遊んではいけない
と母たちは言っていた
・・・・・(中略)・・・・・
大人たちの
密かな噂話の意味が分かった
かつて地主の妻だったその女は
同性と心中未遂をして
相手の女は死んだ
・・・・・(後略)・・・・・

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