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Judyの目が回る

大きな音がしたので隣を見ると、そこにいた筈のJudyがいない。教壇の下に転がり落ちている。
予備校のリスニングの授業をJudyとペアーで担当して3年目だった。
「Judy Judy !」呼びかけたが返事が無い。目を覗き込むと、青眼がうつろに、しかしぐるぐる回転し始めている。漫画のようにうずをまいている。
生徒に1階に下りていって事務局の人を連れてくるように言ったが、誰一人身動きしない。1番前にいた二人を名指しで呼び寄せJudyの頭部を保持させ、教室付きの電話で事務局と連絡をとった。
Judyが何の理由も原因も無く、突然卒倒したのだ。
 ・・・・・・
残りのレッスンを一人で済ませ、事務局に急ぐ。学監が特別な部屋に案内してくれた。Judyはそこでベッドに横たわっていた。この校舎にこういうベッドルームがあることを、それまで知らなかった。
Judyはなんだか照れくさそうな様子を見せた。
「Bruxellesがね、大丈夫かって私に呼びかけている声やら、生徒に指示している言葉やら、全部はっきり覚えている。有難う」と言った。
B「何が原因だったの?酔っぱらっていたわけでも、ショックを受けたわけでもないのに」
 ・・・・・・・
帰り道、左右に別れる場所まで来た時Judyが小さな声で言った。
J「今ね、私のところにニュージーランドから友達が来てるの知ってるでしょう。昨日の晩ね、子供の頃の懐かしい話なんかしてね。その時、私、昔時々卒倒してたわねって話が出たのよ。もう10何年も前の話よ」
B「記憶が呼び起こされたことが、ひょっとして原因なの?」
J「自分でも忘れてたくらい昔のことよ」
B「懐かしくて、記憶が勝手に昔の自分を再現させたってこと?」
J「わからない。もしそうだったら、私の手に負えない話よ」 
 ・・・・・・・・・

高校1年生の時、後催眠を知り、心理学に興味を持った。後催眠とは、催眠術をかけられた記憶を消されたまま、つまり覚醒したままの状態で、何かの合図をきっかけに、指示通りに動かされる催眠術のことだ。Judyの卒倒は思い出話が仕組んだ後催眠に近いような気がした。

遺伝子とは、ある特定の状況に於いて、ある発言をしたりある行動をしたりさせる元、だとしたら、それは後催眠に近い。
自分の意志をもって生きているつもりでも、本当は人生のすべてを遺伝子によってプログラミングされているとしたら、人生は長いJe t'aime (Vivant Poeme:Barbara)ではなく、人生とは膨大な後催眠だということになる。

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