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遅刻

遅刻 2004年12月7日 (Tue) 19:02:16

昔から私はグズだ。20代前半は特にひどかった。約束の時間は大抵1,2時間遅れていった。友達として残るのは忍耐強い、私に対して寛大な人ばかりだ。一度感動したことがある。俊夫と阪急三番街のK書店で待ち合わせたとき、3時間も遅れた。実は約束の時間に目覚めて、それからゆっくり起きて食事をして(バカモノ!!)出て行った。梅田について時計を見たら・・。さすがに申し訳ない気持ちで一杯になる。地下鉄を上がって書店に近づいて、さらに絶望的な気持ちになる。書店が閉まっていたからだ。今日は水曜日だった。でも近づくに従って少し安心した。休みだったら店内に入れない。と言うことは帰ったに違いない。不幸中の幸い(何が!!)だ。ガランとして誰もいない。一回りしてみようと左の角の隅にまで行ったら、そこに人が一人、よく見ると俊夫がへたり込んで蹲っていた。感動した!そろりと近づいて「ごめんね」と言ったら、顔を上げてニッコリした。実はもう怒る気力も帰る気力もすっかり失くしていたのだ。

上には上がいる。前日知り合って一緒にバンセンヌの湖でボートにのったジャンポールとジャニンヌ。翌日エッフェル塔の南の足で待ち合わせした。私は久々に3時間遅れて行って、もう来ないだろうと思っていたら、4時間遅れて走ってきた!いやはや、もう驚きの感情しかなかった。自己記録を破られた心境。

私はその日も実は1時間半遅れた。Jean-Claude Rossigne先生の北白川の自宅で開かれた忘年会。急な坂道を地図を見ながら登ってゆく。冬なのに汗までかいて。
純日本風の家で、入り口に、浅草にあるような大きな赤い提灯があった。会場も当然和室。スルスルと障子を開けたら足の踏み場もないくらい生徒たちが集まっていた。皆が遅れてきた私を一斉に見る。私は動けないで立ったまま途方にくれる。すると一人の学生が「ああ、ここ空いてますよ、どうぞ」とタイミングよく声をかけてくれた。空いていたのではなく、よいしょよいしょと、無理に詰めて小さな空間を空けてくれたのだ。私は飛び石を飛ぶようにそこへ行って座った。・・・
反対側の席に京大数学科の山田さんという人がいた。その人がしばらくして立ちあがり、フランス語で自己紹介を始めた。サンケイスカラシップに合格して、もうすぐパリ大に行くという話しだった。「2次の面接で仏語での質疑応答、専門的なことまで聞かれるのですか」と聞いた。あらかじめ質問も全部予測し、回答もあらゆるパターンの準備をしていった、と答えた。数学は20代が勝負なのだ。20代で成果を出さなければ、その先、ひらめくことはないから、絶対に留学を決めたかったのだと言った。席を空けてくれた子とはあまり話さなかった。隣に座って話すのを聞いているだけで、何かが手に取るようにわかった。サービス精神がやや過剰気味なところ、真面目と御ふざけの度合い、ホットとクールの深さとその位相、心の中で大切にしているものと、パーティーでの社交性・・・何からなにまで。・・

その夜家に帰って母の顔を見たとき、聞かれもしないのに、私はこう言ったのを覚えている。
「あのねBruxelles今日ね、自分とそっくりな男の子に会った。まるで自分がもう一人そこにいるみたいな・・」
Jとの出会いだった。

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「Un homme et une femme」 par
 Nicole CROISILLE & Pierre BAROUH


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