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悪戯っ子世に憚る

悪戯っ子世に憚る 2005年1月29日 (Sat) 19:17:14

SSは薬事専門学校の実験アシスタントをしていた。自由時間は比較的多い。車で家の近くまで会いにきた。外の喫茶店で会っていたけれど半年もすると「ABBAの家に行きたい」というようになった。人様をお呼びするような家ではないと断ったのだけれど「一回だけでも、どうしても」と言う。それで、目隠しをして、手を引いて家に案内した。・・
私がベッドに寝転がって訳したばかりのバルバラを歌っていると、SSもベッドに上がってきた。曲の好みは全く合わない。彼女はチャカ・カーンのファンだ。
母が帰ってきた。SSは飛び起きて「お邪魔してます」と挨拶した。後で母に聞くと、母はとても気に入ったという。「どうして?」「こんなオンボロ家に来て、あんなに楽しそうにしてるから」「そんなに楽しそうにしてた?」「とっても」

私の誕生日にSSは突然やってきた。
「どうしてここがわかったの?」
「目隠ししても、地面は見える。必死で地面を見て道順を覚えた」「ええェ!!」
シルクのパジャマをくれた。それから休みのタイミングが合うと、ダイレクトに家に来るようになった。

天草がやってきた。
「天草、今日ね、あと15分もしたら、またSSがやって来る。病気で寝てるって言ったんだけど、じゃ、お見舞いに行きますって」「××××」「××××」「××××」「××××」「そうしようよ。そうしよう。面白い!」クックックックックッ・・。
すぐにSSの足音が聞こえた。
大急ぎで奥の座敷の布団の中に天草が服のまま飛び込んだ。SSが玄関を開けて入ってきた。私は座敷の向こう側の廊下に隠れてタオルで口を押さえてSSを呼んだ。
「今日はこっちの部屋で寝てるから、そのまま上がって来て」笑いを堪えるのに必死だった。
「お邪魔します」と言いながら、重い襖を開けてSSが入って来た。天草は顔まですっぽり布団をかぶっている。覗くとSSがちょこんと布団の側に座っている。
「ABBA変な格好して寝てるのねぇ」
笑い声を押し殺して、呻きそうになった。1秒、2秒、早く布団をめくれ、早く。3秒、4秒、、。
「どうしたの?」どうしたのじゃない、早く布団をめくって、、10秒、11秒、12秒、、。
ブハハハハハハハハハハハッッッッッッ!!
苦し??い!!ブハハハハハハハッッッッッ、、、!!
天草が笑いを堪えきれなくなって、ふとんの中から跳ね上がった。同時に私も廊下で笑い転げた。天草と二人でひとしきり大笑いした後で、SSが、顔色一つ変えていないことに気づいた。
「あー、面白かった、Bちゃん、僕帰るわ」と言って、あっさり天草が玄関へ向かった。
「ごめん、怒ってるの?」と私。
「怒りよりも、呆れかえってる」とSS。
玄関から天草の声。
「あれ、なんで、これ、内側から鍵がかかってるの?なんで、なんでー?」
「なかから鍵かけてきたの?」と私。
「いつもそうしてる」とSS.

「失敗してしまった。絶対布団めくって、中を覗くか、入っていくと思ったんだけど、どうして?」
「玄関に見慣れない靴があったので、誰かが居るって、初めから気づいてた」
「ぎゃふん。クックックックッ、悪戯にも頭が要る。失敗。でも、面白くなかった?」
「全然」そう言ったままSSは深い不信という物思いに沈んでいってしまった。
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「Ma mere chantait toujours」par Ginette RENO


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