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引き裂かれた母と娘たち

引き裂かれた母と娘たち 2004年10月9日 (Sat) 19:25:25

授業が終わってロビーで日誌を書いていたら、思いがけずSSが後から肩をたたいた。「あれっ」今日は予定外の日なのに。今日はSSの誕生日で、相談したいこともあるので、一緒に時間を過ごさせて、と言う。今日は下で”人”が待っているはずだ。どうしよう。
「どうしたの。都合悪いの?」「うーん」
「じゃ、一時間だけでいい」「うーん、ちょっとここで、待っててね」

階段を下りて、2,3歩右に。いた。
「ごめん。急用ができた。必ず埋め合わせをするから。申し訳ない。今日のところ..」
SSが後をついて降りてきたようだ。階段の中央で立ち止まってこちらを見ている。そのSSにこの”人”は素早く気づいた。
「原因はあの子?あんな子供のためにコケにするのか」
「カリカリしないで。理由は後で話すから。何かノッピキナラナイ事情があるみたいだから。ほっとけない」
ハッと怒りを込めた息を吐き出して、返事もしないで背を向けた。そしてゆっくり立ち去っていく。「ごめんなさい」心でそう言いながら、その背中をしばらく眺めた。SSはそんな私を、少し身を隠してじっと見ている。

「約束があったのに割り込んでしまって御免なさい」
「タイミング最悪。でもしかたがない。誕生日なのでしょう。誕生日は一年に一回しかない。」
「あの背の高い人、あの人誰?ABBAとはどんな関係?」
「そうくると、思った。そういう質問には答えたくない」
「私は自分のこと、内臓を裏返すくらいみんな全部隠さずに話した。私にも答えてほしい。ABBAの大切な人?」SSは顔を伏せる。
SSにはそんな質問をする権利はない筈。でも、聞きたいと思う権利はあるかもしれない。ふぅー。
「もし、大切な人なら、今ここにこうして座ってなんかいない。でしょう?」

SSはお母さんのことを相談したかったようだ。お母さんが夜中に独り言を言っては泣いて、そして興奮状態になる時がある。そんな時はSSがお母さんをなだめて、お薬を飲ませて寝付かせる。
「お母さん、相当心に悲しみを溜め込んでいるのね」
お母さんが入院中、お父さんが会社の秘書に手をつけ、その秘書は男の子を産んだ。また、入院中、お母さんの日記が、義父母に読まれてしまった。内容が原因で、義父母を立腹させ、悪感情をもろに浴びてしまう。
「夫婦で出て行け」と言われた時、お父さんはお母さんだけを追い出し、その座に愛人と男の子を迎えた。
「お母さんの気持ちは、それ以来ずっと地中のマグマ状態なのね」
SSと妹は5年間ほどは、お父さんの家でママ母と弟と一緒に暮らしていたらしい。
一人ぽっちのお母さんが心身のバランスを崩し地獄を歩いたのは想像に難くない。

「ところでABBAさっきの人とは、どういう関係?」「...............................」
またかと、ため息が出る。右手でキーケイスを取り出し、その中から、一本引き抜き、それを黙ってテイブルの上に置いた。

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「 J' m'appelle amnesie」   Dalida


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