PLANETEに戻る

Latest Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Conceptual Art と藤本由紀夫

試作にはまり抽象的なことばかり考えるようになった。その先にConceptual Artとの出会いが待っていた。
SKが仕切っていたArtistsグループがいくつかあって宮崎画廊で何度か総合グループ展もした。ふーちゃんとSKとイラストレーターの波多野さんが「類」という雑誌を創刊したのもその頃だ。

私は自動車学校に通っていた。途中資金切れを起こして急遽ワインの店頭販売のバイトもした。自動車運転免許証試験で門真に行くことになった。教室の一番前の席から振り向いて「誰か私と一緒に門真に行く人いませんか?」と声を出して誘ってみた。返事はないだろうという予測に反して一番後ろの席の子が「ハーイ」と間の抜けた大声を出して手を上げた。ファッションがぶっ飛んでいる。その上、声といい、化粧といい、ちょっと待ってよ、と引きそうになった。
同じ市内に住む子で実家は工場を経営している旧家らしい。姉の夫は市会議員だ。服飾関係の学校に進学したが途中でやめて、芸大の版画科に在籍していた。

その子と二人車を連ねてよく芸大に行った。制作中の彼女(山野さんと言う)と、とりとめもないバカ話をした。芸大の文化祭では創刊したばかりの「類」の販売もした。芸大のバス停でバスを待っている人を見つけて「あっ、あの人をBruxellesさんに紹介するわ」と山野さんが突然言った。私と藤本由紀夫が出会ったのは、その時だ。

まず音楽の話をした。アメリカ文化センターにいつもContemporary Musicを聞きに行っていること等を話した。彼は電子音楽の専門家だ。まだ助手だったけれど。スウェーデンの現代音楽家、フォルケ・ラーボの「WAS」という曲やら以前一世を風靡したゼロ次元の話等で意見が一致した。何度か会い、何度か彼の個展にも行った。歯に細工をしたオルゴール、溝のないレコード、敷き詰めた枯葉、彼は前衛アートの道を真っ直ぐに進んだ。YMOより何年も前に声や言葉を合成し、バンドを組んでディスコに出ていた。新大阪にBecauseという電子音楽のスタジオを持っている時期もあった。高松次郎あがた森魚と仕事もした。その都度彼の存在そのものが抽象化していくようだった。フェスティバルホールでギリシャ人の建築家にして音楽家のクセナキス(彼は銃撃で片目を失くしている)の講演があったときは、藤本由紀夫は関係者として裏方にいた。サンケイホールでの小杉武久Conceptual Musicの時も関係者としてそこにいた。そしていつの間にか、私の憧れのケイジ(John Cage)やマース・カンニングハムとNEW YORKで一緒に仕事をするようにもなった。彼にはもう、専属のカメラマンがついて、勝手に彼や彼の作品の写真を撮れなくなった。
彼に会うよりも新聞で彼の作品に出会うほうが多くなってきた。音楽家ではなく、造形作家と紹介されている。それは野外に置いたイスに金属の耳をつけた彼のオブジェが、人気を博しはじめたからだ。音の出るオブジェとして。そうこうするうちに大きな美術館や諸都市の都市博の総合芸術監督として彼の名前を目にすることが多くなった。
一番最後に会ったのは、彼の京都での個展だったろうか。その時たまたま京都市内で個展をしている友人が三人いたので、CCの妹のアメリカ人Carolを連れて、三ヶ所を回った。「Conceptual Art」Carolは初めてその言葉を耳にしたのか、感銘を受けた様子で何度も呟いた。来日したばかりの頃のCCを藤本由紀夫に紹介していた。歳は離れていたが二人はとても気があったようだ。私が交通事故で入院していた病院から退院した時、CCはお祝いのPartyを彼の自宅で開いてくれた。その時CCが藤本由紀夫を呼んでいて、思わぬところで再会したこともあった。

ボクサーの赤井英和が日の出の勢いの時、彼でさえ試合前日の不眠症に実は苦しんでいた。彼の実姉から相談を受けて以前藤本由紀夫に貰った彼の作品「催眠誘導テイプ」を赤井に贈ったことがある。どんなテイプかと聞かれても、眠気を催すテイプとしか言いようがない。彼のコンセプトは何事も初源にある、といえるだろう。

出会った当初、藤本由紀夫は隣町に住んでいて、時々ばったり会うこともあった。
「藤本さんは、どうして由紀夫なの?」
「僕がうまれたころ、三島由紀夫が文壇に登場して人気があったらしいんだ。」「それで?」「うん、それで。」
藤本由紀夫がConceptualでないのは、その名前の由来だけだ。

///////////////////////////////////

「PLUS BLUE QUE TES YEUX」 CHARLES AZNAVOUR & EDITH PIAF

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

2017-11

  • «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • »

MONTHLY

CATEGORIES

RECENT ENTRIES

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACKS

APPENDIX

Bruxelles

Bruxelles

FC2ブログへようこそ!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。