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隠れサッフォーの店(2)

薫「Bちゃん、久しぶり、今日は珍しく一人じゃない」
Br「薫さん紹介するね。こちらBさん。大阪で『ふらん』をやってる人」
B「腐乱死体の『ふらん』です」
Br「薫さんは『文学塹壕』や『崖』に書いているひと。神戸なら何にでも知り合いがいる。薫さん、今日は満員ね、カウンターにずらり」
薫「Bちゃんからお噂はかねがね伺っております」

私から見ればBさんも薫さんも、ずっと大人だ。二人ともB29の空襲を体験している。

B「神戸といえば、バイキング君本昌久さんと、ちょっとした誤解で、気まずい出会いのままになっている」
Br「じゃあ、あとで君本さんをここに呼んで仲直りすればいい、ね」

Bさんは何でも言うことを聞いてくれる。今日も三宮の知り合いの店に行こうと言ったら、即OKで一緒に来てくれた。
Bさんがトイレに立つ。Bさんがトイレの中に消えると同時に、カウンターの視線が私に集中した。その視線を代表して、薫さんが私に顔を近づけて聞く。
薫「Bちゃん、あの人今、恋人いるの?」
店中のお客が、息を潜めて私の回答を待っている。ちょっと焦る。
Br「あの人? ああ、いるよ」
薫「あの人の相手って、一体どんな人?」
Br「こんな人」(人差し指を自分の鼻に近づける)
すると、見知らぬ客が一斉にグフフと苦笑した。薫さんも笑っている。
薫「冗談じゃなくて、本当のこと言って」
Br「だから本当のことだって」
客がまた一斉に笑う。
Br「なんて失礼な人たちなの。みなさん。もう。失礼じゃないですか」
立ち上がって抗議する。そこへBさんが戻ってきた。
B「どうしたの?何を怒っているの?」
Br「あのね、Bさんに恋人いるかって薫さんが聞くから、いるよ、ここにって言ったら、店中の人が笑うんだもの」
B「それで怒ってるの?」
Bさんは私の後ろに回って両手で私の肩を軽く押えた。座る。
Br「Bさん。何とか言ってよ。Bさんが言わないと、この人たち信用しないんだから」
B「はい。はい。みなさん、あのね、私の恋人は、ここにいるこの人ですよ。間違いなく」
そして身体と顔を私の背中に押し付けた。

ウッソダーイ、という顔を貼り付けたまま、お客さんたちは不服そうに納得する。もう一度立ち上がる。
Br「ほ?らね。ほらみろ。それみろ。わかった?わかった?みなさん、わかりましたか?ほらね」・・

Bさんは場を読むときも、いつも私の気持ちに沿って演じてくれる。自由自在に私の歳の離れた姉になったり、ママ母になったり恋人になったりする。

君本さんが入ってきた。Bさんの横に座る。5分もしないうちに誤解が解けて、薫さんと私も加わって4人で乾杯をした。
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Fascination(魅惑のワルツ)」par Jack Lantier

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