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予備校の講師控え室で

予備校の講師控え室で、ごくたまにある解釈に関して講師が意見を出し合うことがある。
こういう時は辞書や文法書や参考書では解決しない。その次元の疑問なら、質問を提出すること自体が講師としての恥だからだ。
全員がウーンと唸るような質問である必要がある。

「ひょっとしてこれは、mealとmeatのミスプリではありませんか」と気づいたこともある。意外かもしれないがミスプリも実は難問のひとつで、それに気づくのも解釈力の範疇に入る。

議論が弾んだ時は大体次のように会話が進む場合が多い。
「こういう意見にたどり着く筈だから、ここは・・・」
「賛成、反対、賛成と来ているのでここは反対の例として出す部分だから、こう考えたらどうか・・・」
「この人はこういう思想を持った人だから、究極的にはこう運ぶ筈だから、ここは・・・」
もっと頭のいい人はこういう意見を出す。
「この人はこういう性格だから、こういうことを皮肉で言っているので、逆説的にとる必要がある」
「この単語は音の勢いで出しているだけだから、重要視してはいけない」
正しい方向に意見が進むとさらにこうなる。
「この出題者はこの文をこう読み解いて、こういう意図で出題している筈だから、つまり・・」
「この出題者は勘違いして、ひょっとしてこの文をこう読んで、こう狙って出題し、解答にこういったことを要求しているのではないだろうか」
あげく、この出題者の専門は何なんだろう、語学力はどの程度か、受験生にどのレベルまでの深さを要求しているのか、その出題校自体のレベルはどうか、云々。

毎年たくさんの入試問題を見ていると駄作にも多く出会う。解答がひとつに決まらない問題。出題自体が駄文の場合。つまり、切れや締まりのない文章。
入試問題はなにより学力判定力を備えた出題で構成されなければならない。問題作成だけで手一杯で、その本来の役割にまで到達していない問題も結構多い。つまり出題者の能力の低さが露呈される場合だ。
逆に文章も出題も素晴らしく読んで感動さへ覚えるような入試問題に出会うことも、たまにはある。
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「Du Soleil Levant」に新しくいれた「Pierre Perret」の「Lily」。
gugusという単語にひっかかりを感じて、時間をかけた。
Jacquesの意見ではgugus=imbeciles。黒人乗車拒否のバスに火を放つ・・のだからgugusで当然なのだが、その中でその人たちに混じってLILYが怒りの拳を突き上げる・・その行為をPerretはどう捕らえているのだろう。Jacquesに何度も質問し、Jacquesから何度も同じ答えが返ってきた。「Perretの立場は不鮮明」(人種差別には反対だがBlack Pantherにも反対なのだと)
LILYは啓蒙されないまま流されてBlack Pantherと行動を共にする。このPerretの不明快視点がどうも気になるのだが、それが現実視という視点なのだろう。Perretは決してLilyを褒め称えているわけではない、ルポタージュの視点で描写してみせただけだ。
実はもうひとつ引っかかったところがある。
On a moins peur des loups qui guettent le trappeur
このloupsは何を象徴するのだろう。Jacquesの意見ではloups=black poeple 、trappeur=white people。とすればLilyが怯えていたのは黒い同胞たちの方だ。怒りは白人に向き、恐怖は黒人に向くLily。
入試問題ではあり得ないスタイルだ。
カメラを数ヶ所に据えた写実的映画のように、なにをどう汲み取るか、すべての判断を観客に委ねている詩法と言える。
シャンソンの歌詞にはこの複合視点は結構ある。
まだ手をつけていないがBarbaraの「Mal de Vivre」唐突に「Joie de vivre」にもなるのだ。「私の埋葬式に」でも出だしの心境と終わりの心境は突然変化している。歌詞は、論理を突き詰めるのではなく、むしろ心理の変化を、視点の複合を大局的に受け入れなければならない。心しておきたいと思う。

参照:LILY de Pierre Perret

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